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駅前シネマ

正月に実家の富山に帰省した。

で飲み会が富山駅近くの居酒屋であったのだが、少し集合時間より早く着いたので駅前をフラフラしていた。

駅前の横断歩道が青になるのを待ちながら何となく視線を上げたその先には

7820874.jpg

「シネマ食堂街」

の文字が。

そうだ、久々に駅前シネマでも見てみよう!そう思った俺はその怪しげな路地に足を踏み入れた。


「駅前シネマ」とは「シネマ食堂街」の中に入っている映画館である。

ただの映画館ではない。所謂ピンク映画を上映している成人向けの映画館なのである。

いつの間にか載らなくなっていたが、昔は新聞の映画欄にこの駅前シネマの上映スケジュールも載っていた。

ピンク映画のタイトルはド直球である。他の健全な映画館で上映されている『ハリー・ポッター』や『千と千尋の神隠し』なんかと一緒の欄に、

『乱行教室 私の顔にかけて』

『不倫OL 野外恥戯』

『未亡人ONANIE バイブ狂い』

なんてタイトルが並んでいたのである。

当時中学生だった俺はこのタイトルをこっそり見てはニヤニヤしていたものである。

このようなタイトルが堂々と載っていたので、友人の間でも「駅前シネマ=エロ」という図式は周知の事実であった。

中2のある日、校外学習で駅前に行った俺含め7名程は、誰が言い出したか「駅前シネマに入ってみようぜ!」ということになった。

なにせ中2の頃と言えばどいつもこいつも日常会話の8割がシモネタだった時期である。そういう流れになるのは至極自然なことであった。

シネマ食堂街の入り口をくぐってすぐに映画館があると俺は思っていたが、実際には道が湾曲しておりどれほど進めば着くのか分からない。

その時は校外学習の帰りで全員学ランだった!見つかるとヤバイと内心ビクビクしつつも、その先にあるエロスを求めて僕らは進んでいった。

そして長い長い路地を歩きチケット売り場が見えたその瞬間、誰かが「うへあ!」とか奇声を上げて一目散に逃げ出した!それに釣られて皆一斉に訳の分からない声を上げつつ元来た道を猛ダッシュしてシネマ食堂街を飛び出し、そのまま学校方面の市電に飛び乗った。

しかしその市電の中では皆なにかをやり遂げたような、漢の顔をしていた。あの時俺たちは輝いていた…。


あれから既に7年が経った。いつの間にか俺は堂々と駅前シネマに入れる歳すらとうに過ぎている。

そんな訳で久々に行ってみるか!と思ったのである。

p1000317.jpg

このシネマ食堂街は非常に路地が狭く、店が密集している。ゴチャゴチャしていてまさに昭和といった感じだ。どこかからカラオケの演歌がぼんやり漏れ聞こえてくる以外は全く音がしない。と、突然ガラッと扉が開いて無愛想そうなおばちゃんが出てきたのには驚いて逃げてしまった(笑)ふと足元を見ると一匹の猫がこちらを見ていた。「うらびれた」という表現がピッタリの路地だ。富山にこんな場所があったとは。今までエロというイメージしか持っていなかったシネマ食堂街だが、随分印象が変わった。

そして思い出の駅前シネマだが、どうやら閉館したらしい。いかがわしいポスターも貼っておらず、看板も外されていた。ただ

・大人   1800円
・大学生 1500円

と書かれた受付だけが残っていた。


非常に残念だ。


昔お気に入りだったAV女優がいつの間にか引退していたのを知ったような喪失感を覚えながら、俺は路地を後にした。


(了)



画像はGoogle イメージ検索より拝借。

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